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今月の特集

“気育て体操”のストレス低減効果について、日本健康科学学会 第23回学術大会(2007.9.11)で発表しました。引き続き今年は、第24回学術大会(2008.9.27、於 女子栄養大学)で、“気育て体操”による心拍数への影響について発表しましたので、その概要を紹介します。(文責 中村紀典)

【“気育て体操”による心拍数への影響について】
中村紀典1)、渡辺康麿2) 、中村達也3)、倉上洋行4)
1) 日本コムシス梶@研修センタ 2) 生涯学習セルフ・カウンセリング学会、3) 武蔵丘短期大学 4) 順天堂大学

【目的】
昨年の学術大会では、“気育て体操”後に唾液中のαアミラーゼ活性が下がることから、ストレスに影響を与えることを明らかにしました(図1、図2参照)。今年の研究発表では、より多くのデータ収集を可能にするため、体操前後の「心拍数の低下」と「唾液アミラーゼ活性の低下」との関連性を把握することで、「心拍数の測定」のみで、「体操前後のストレスへの影響」を判定することについて検討しました。なお、“気育て体操”は渡辺1)が、気の研究の中から創案したものであり、リラックスに影響を与えることが期待されます。
【方法】会社員1,007人(19〜70歳)を対象に、“気育て体操”の前と後に心拍数(1分間)を測定しました。なお体操後は、リラックス度が安定する10分経過後に測定しました。また心拍数とストレス値との関係を見るため、40人については心拍数の他に、ストレス測定器(「ココロメーター」 ニプロ株式会社)により、急性ストレスを反映すると考えられている唾液中のαアミラーゼの活性度も測定しました。
(注)心拍数の測定は、短時間のゆらぎによる変動を回避するため、1分間の実時間で測定しました。

【結果】
心拍数(1,007人の平均±標準偏差)は体操前71.8±11.3、体操後69.2±10.8でした。測定データは、全体、心拍数群別(但し、心拍数59以下の群は除く)、男女別、年代別に分散分析の結果、各々P<0.01で有意差ありと認められました。心拍数の群ごと(60〜69、70〜79、80以上)の平均値について、体操後の心拍数減少値(体操後−体操前)を求めた結果、体操前の心拍数が多い群ほど体操後の心拍数の減少量が多くなりました。なお59以下の群では、逆に若干増加傾向が認められました(図3参照)。
体操前後に心拍数の群分けごとの被測定者数から分割表を作成し、カイ2乗検定を行った結果、P<0.01で有意差が認められました。
1,007人中40人については、ココロメータ値(ストレス値)と心拍数を同時に測定した結果、1人を除いて他はすべて共に減少又は片方減少となりました(ココロメータ値、心拍数共に減少:32人。ココロメ
ータ値又は心拍数が減少:6人、共に増加:1人 、図4参照)。また40人の体操前後のココロメータ 値を分散分析した結果、P<0.01で有意差ありと認められました。

【考察】
体操前の心拍数が多いほど体操後の心拍数減少量が多くなりました。心拍数の少ない59以下では若干増加傾向が認められました。体操後のココロメータ値の減少により、本体操がストレスに影響を与えることが追認されました。
ココロメータ値と心拍数を同時に測定した結果、大部分は体操後にココロメータ値、心拍数が減少することから、簡便法として心拍数の測定のみで“気育て体操”による影響を説明できることが示唆されます。

【結論】
“気育て体操”は、体操前後の心拍数に影響することが確認されました。
“気育て体操”は発表者の職場で、朝礼時に実施して効果をあげております。本体操は簡単に覚えられかつ3分間で気軽に実施できます。会社、学校、家庭で毎日実行することでストレスの少ない明るく健康な生活を送るための一助となるものと考えます。

(文献) 次の文献に“気育て体操”の方法が書いてあります。
1)渡辺康麿:自己発見心理学. 東京、ナツメ社、2007:112-122.

図1

図2

図3

図4